パンテーラ家には、先祖代々伝わる世界的に有名な水晶玉が2つあった。

 

パンテーラ3世とパンテーラ6世が所有していた物だ。

 

そして、末裔にあたる13世のパンテーラは、

趣味である占いをする為に、これらの水晶玉を使っていた。

 

手袋女子002

イラスト by 吉山みかん

 

占いをする少女のイラストコンペ

受賞作品



しかし、同じように占いをしても、

この2つの水晶玉に映し出される光景は全く違うものだった。

 

パンテーラ3世が持っていた水晶玉は、紫色をした大きな水晶玉で、

重くて使い勝手が悪いが、占いの結果は良く出る事が多かった。

 

反対にパンテーラ6世の水晶玉は、くすんだ蒼色をしており、

使い易い大きさではあるものの、悪い結果が出る事が多かった。

 

そして、それは現実のものとなる事が多かった為、

パンテーラは、いつも3世の方の水晶玉を使って占いをしていた。

水晶玉に悲劇が・・・

 

占いの腕に自信のあったパンテーラは、街で占いの店を開こうと思っていた。

 

そして、開店準備をしていたある日の事・・・。

 

水晶玉を移動させようとしたところ、まだ子供であるパンテーラには重過ぎたのか、

支え切れず、水晶玉を床に落としてしまった。

 

割れはしなかったものの、ヒビが入り、何も映し出さなくなってしまった。

 

パンテーラパンテーラ

ああーっ!水晶玉が・・・。

これじゃー、占いが出来ないわ。

どうすればいいの?

6世の水晶玉は、悪い結果が出るので使いたくない。

 

困ったパンテーラは、爺やに相談する事に・・・。

 

爺や爺や

この紫の水晶玉には御先祖様の霊が宿っておるとの言い伝えがある。

パンテーラパンテーラ

御先祖様の霊・・・。

爺や爺や

そうじゃ、ワシ達の遥か祖先であるパンテーラ3世様の霊じゃ。

お前の占いがよく当たるのは決して才能だけではない。

御先祖様の力もあるのじゃ。

パンテーラパンテーラ

そんな大事な物だとは知らなかった。

私・・・。

泣きそうになるパンテーラを見て、爺やは、

 

爺や爺や

パンテーラよ、心配するでない。

この水晶玉を他の物に加工して身に付けると良いかもしれん。

パンテーラパンテーラ

指輪かペンダントにして?

爺や爺や

それでは小さ過ぎる。

パンテーラパンテーラ

じゃ、もっと大きな物といえば、腕輪かティアラ?

爺や爺や

いいや、仮面がいいと思うがのう。

パンテーラパンテーラ

仮面・・・。

紫の水晶玉が仮面に変身

 

爺やは、工芸師に仮面の制作を依頼した。

 

工芸師は、ヒビが入った部分を避け、

残りの部分から出来るだけ大きく水晶を切り出した。

 

そして、その紫の水晶を仮面の形に加工し、

金淵の枠を取り付け、所々に渦巻模様をあしらい、

水晶玉の中心部の赤くなった部分はハート型に加工され、

仮面中央上部のアクセサリーとなった。

 

フルフェイスではないとはいえ、顔の上半分を覆う大きな仮面が完成した。

 

爺や爺や

パンテーラよ。

仮面が出来上がったが、どうじゃ?

パンテーラパンテーラ

なかなかいいデザインじゃない。

早速、パンテーラは仮面を着けてみた。

 

すると、何か不思議な力が仮面から湧いてきて、

パワーを貰っているような感覚を覚えるのだった。

 

パンテーラパンテーラ

これからは6世の水晶玉を使って占いをする事になるけど、

この仮面があれば大丈夫そうな気がするわ。

ありがとう、爺や。

爺や爺や

ホッホッホッ。

この国でも有名な工芸師に頼んで正解だったわい。

ピンチはチャンス!

 

仮面を着けたパンテーラは、6世が持っていた蒼い水晶玉で占いをしてみた。

 

白い手袋をした両手を水晶玉にかざしたパンテーラは占いの言葉を唱える。

 

パンテーラパンテーラ

我がパンテーラ家に伝わる偉大なる水晶玉よ。

これから起こるであろう事を映し出したまえ~。

しかし・・・。

 

パンテーラパンテーラ

ああ、悪い光景が・・・。

やっぱりダメか・・・。

それでも、いつも前向きなパンテーラは、あえて悪い運勢を占う事で、

人々に悪い結果を避ける助言が出来ると考えた。

 

そして、良い運勢は出来るだけタロットカードを使って占う事に・・・。

 

街の一角に占いの館をオープンしたパンテーラは、

「マスクド・パンテーラ」と名乗り、

占い師としてデビューするのであった。